後半はちょっと湿っぽい話になってしまい、(僕が)耐えられそうに無いので、猫つながりの展示から。
新年1番目の展示は、岩手県立美術館で2月17日まで開催中の、「ますむらひろし展 ーアタゴオルと北斎と賢治とー」へ。
ますむらひろしさんの本は、頂いた自分のモノの他、実家にほぼ全冊(しかも装丁が代わった物までも)コレクションされていた為、子供の頃から読んでて、ほぼ全ての内容が頭に入ってる状態だったので、かなりどっぷりと世界に浸る事が出来た。
カラー原画はカラーインクが多用されていて、インク特有の、蛍光色みたいなチカチカする色彩が眩しかったし、
今回の目玉であろう、北斎の浮世絵をアタゴオル化したシリーズのものは、作者独自の視点やユニークなアイデアなどが加わっていて、ただの模写では無い楽しさがあった。
それに加えて、描かれている内容の考察等の解説も、みっちりキャプション化してあって、それだけで一冊本を読んだ位の濃密さだった。付随して、北斎の絵ももっと見たくなる好奇心に駆られてくる。
じっくり見たい方は、時間に余裕を持って行くのがおすすめだ。
個人的には、長持をカブトムシ化した絵がすっごく可愛くてお気に入りだった。
他の原画も、実際の印刷物より大きめサイズで描かれていて迫力があるので、気になる方はぜひ。
それと、昨年末は、クラムボンさんの「素猫展」へ。
(写真は、仲良しの『木羊日』さんお手製のパペット。)
毎年恒例の、「猫の作品なら何でもOK!」という、誰でも自主参加式の楽しい展示。
写真あり、本気の絵画あり、さらっと沢山の猫達の作品が並んでいて、
そして猫らしく気まぐれに、あちこちにこまこまっと島を作って展示されていて、ほっと一息出来る暖かな展示だった。
猫好きには堪らない展示だ。
で。
クラムボンさんのマスターの告別式にも、ささやかながら参列させて頂いて来た。
クラムボンさんでの展示の時に、芳名帳を置いておくと、
ご自分のお店なのに、いつもご記帳に名前を書いて下さっていて、とてもお茶目なマスターだったなあと想い出します。
展示の時に、こそっとカウンターの中に入れて頂いて、マスターが見て居たのと同じ光景を見せて頂けた事も、凄く嬉しかった。し、
コーヒーのお店でいつも紅茶しか頼まないのに、しっかり丁寧に淹れてくれていた紅茶も、とても美味しかった。
参列されて居る沢山の方が、涙を拭っていて、
切なくて、けれど愛おしいお式だったなあと思う。
弔辞での「貴方のコーヒーが飲みたい。」の言葉、みんな思って居たと思うんだ。
本当に感謝の想い出ばかり。心より、どうもありがとうございました!
そして、クラムボンさんは1月10日より再開です。
2代目の娘さんのご活躍と共に、紺屋町にまたコーヒーの香りが漂う日常は、まだまだ変わらないという事に安堵しつつ、
マスターも、今度はカウンターの側で、コーヒーを飲みに来てくれる事を願って。